作成日: 2023/02/26 更新日: 2023/03/25 サイトの紹介と使い方
概要
- 人工知能が、人の能力を超えるシンギュラリティの条件を考察します。
- 人工知能が量子コンピュータ上で動いたときの可能性を考察します。
古典コンピュータ上の第3次ブームの人工知能
人類滅亡の危惧
- 一部の人々は、人工知能がシンギュラリティを超えて、人類が滅亡あるいは、人工知能の支配下におかれるのではないかと危惧しているようです。
- しかし、例えば人工知能が核ミサイルの発射ボタンを押すための条件にシンギュラリティは必要ありません。
必要な条件は以下の3つです。- 人が、発射ボタンを押すプログラムを人工知能に与える。
- 人工知能が、発射ボタンを押す権限を持っている。
- 人工知能が、発射ボタンを押す物理的な装置を操作できる。
現代の人工知能の能力
- 現代の人工知能は、意識を持つことができません。
そもそも、人類が「意識」を解明していないので、プログラムできません。 - 現代の人工知能は、自分の意志で増殖できません。
上と同じように、人類は「意志」を解明していません。 - 現代の人工知能が、学習によって「意識」「意思」を獲得する可能性は、奇跡的に人類が地球上に誕生した確率よりさらに奇跡を積み重ねた確率が必要となります。
創発
- 現代の技術によって作成された人工知能が、シンギュラリティを超えるためには、創発現象が起きる必要があります。
人工知能の決定能力
- 現代の人工知能は、極論を言えば最小二乗法の延長上にあります。
- つまり、人がプログラムした内容を高速に処理して実現することしかできません。
- 決定能力は人の与えたプログラムの範囲だけになります。
人工知能の開発の収支
- 人工知能を開発して、収益をあげる最大の要因は、何を作るかのアイディアにあります。
- 人工知能の開発を行うためには、パソコンではリソースが足りないので、高性能のコンピュータを用意する必要があります。
つまり、高額な出費が必要です。 - 人工知能が創発現象を獲得しない限り、限定された局面の処理しかできず、人が意図しない新しい何かを生み出すことはできません。
- つまり、人工知能の開発だけで、収支をプラスにすることは困難です。
量子コンピュータ上で動く人工知能
- まず、量子コンピュータが実用化されたと仮定すると、それを使用するコストは、現代のスーパーコンピュータの価格と同等かそれ以上になると思われます。
- そして、パソコンのように一般市場に出回るのは、はるか遠い未来と考えられます。
- 何故なら、そのためにクリアする課題が山積しているからです。
ネット上のセキュリティの破壊
- 上述した内容を前提として、能力だけを考えます。
- 量子コンピュータは、大量の計算を一瞬で解くことを得意としています。
- つまり、現代の古典コンピュータ上のパスワードや暗号が、即座に解かれることが予想されます。
すると、ネット上のセキュリティは簡単に破壊されてしまいます。 - それを防ぐためには、量子コンピュータで作成したセキュリティが必要となります。
人工知能の近未来
- 量子コンピュータ上で人工知能が動いたとしても、根本的な問題は解決しません。
- ただ、飛躍的に高速になるだけです。
創発現象が起きる可能性が少しだけ上がるかもしれません。
最後に
- 将来的に人類の技術が何を獲得するか予想できません。
- しかし、現代の人工知能には限界が存在することは明確です。