作成日: 2023/04/06 更新日: 2023/05/08 サイトの紹介と使い方
初めに
- 創発に依る現象について記述します。
- この記事は、連番記事となっているので、「最後に」の下部から次の記事あるいは、前の記事に移動してください。
概要
- 「理論的な創発に依る現象」と「自然界の創発に依る現象」の事例を記述します。
理論的な創発に依る現象の事例
セルオートマトン
- セルオートマトンは、格子状のセルと単純な規則による離散的計算モデルです。
- ところが、この単純さから以下のようなコンピュータ・シミュレーションとしての現象が現れます。
- 疑似生命現象(人工生命)
- 疑似化学反応
- 疑似乱数など
- この単純性から生み出す複雑性は、多くの分野のシミュレーションなどで多岐にわたり使用されています。
- しかしながら、セルオートマトンの仕組みの一部は、解明されているものの完全には解明されていません。
- セルオートマトンは、基本的に2次元ですが、3次元世界で現れる創発に依る現象とよく構造が似ていると思われるので、創発のシミュレーションにも使えるのではないかと思っています。
フラクタル
- フラクタルは、幾何学の一分野で、フラクタル図形の部分と全体に自己相似性を持っています。
- フラクタル図形様の形は、地形図や臓器などにも見られます。
- フラクタルの基本的な考え方は、単純な規則の繰り返しです。
- フラクタル図形を作成する方法はいくつかありますが、次のような虚数関数を考えてみます。
- z=a+biという関数を繰り返しを行う関数に代入して、複素平面を作ります。
- すると、a,bの値を変えることによって、様々なフラクタル図形が(例えば、コンピュータのモニター)に描画されます。
- z=a+bi は2元数ですが、z=a+bi+cj+dk という4元数を用いて3次元樹状図を描画したという研究もあります。
- フラクタルの創発との関係の研究されているようです。
自然界の創発に依る現象の事例
遺伝子からタンパク質の合成
- 厳密にいうとアミノ酸(20種類)の「個」が持っていない性質を、アミノ酸配列からタンパク質という複雑な性質を持つ「全体」になります。
- アミノ酸配列は、遺伝子から情報を貰っています。
- タンパク質の合成の簡単な説明は、01.染色体とDNA-DNAからタンパク質の合成を参照してください。
元素番号の違いに依る元素の性質の違い
- 元素番号は、その元素の陽子の数と同じです。
- 例えば、陽子を「個」と考えると、元素は「全体」となります。
- そもそも陽子は、化学的性質を持っていないのに、元素が化学的性質を持つことを創発に依る現象と考えます。
それでも、この世界は(陽子・中性子・電子からなる)元素で構成されていて、その元素の性質で現実世界が生まれます。 - この元素番号の違いに依る性質の違いは、創発に依る現象に似ている気がします。
化学反応
- 「個」となるのは、原子あるいは分子です。「全体」は、化学反応の結果で生み出される化合物です。
- この化学反応の仕組みは、共有結合などに代表される電子の補完で説明されます。
- 化学反応全般について、化合物生成過程とその仕組みについての説明はされても、性質の変化の理由の説明はないように思います。
- 果たして、化学反応と創発の関係性はあるのでしょうか?
生体のフラクタル構造
- 人の体(生体)のいくつかは、フラクタル構造をとることが知られています。
生体のフラクタル構造を参照してください。 - 前述のようにフラクタル構造が、創発と関係があるのではないかと考えられるので、生命現象そのものが創発と関係があるのではないかと考えられます。
まとめ
- 未だ人類にとって未知の現象が存在し、そのいくつかが創発で理由が付くと思います。
- しかしながら、創発そのものが未解明です。
- さて、「理論的な創発に依る現象」<「自然界の創発に依る現象」<「社会的な創発に依る現象」の順で、創発の複雑さが増していきます。
- 尚、この記事では事例(不確かなものを含みます)の一部を列挙するに留めたいと思います。
最後に
- いかがだったでしょうか?
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